vol.1
岐阜・白川町、
発酵和茶Triniteaを訪ねて。
岐阜県の中南部、
山々に囲まれた白川町。
先日AEは、この土地で20年以上にわたり、
和紅茶づくりを続ける「発酵和茶Trinitea」を訪ねました。
山の斜面に広がる茶畑を歩き、実際に製茶工場を見学。
一枚の葉がお茶になるまでの工程や、
和紅茶に込められたこだわりについてお話を伺いました。
普段何気なく口にしている一杯のお茶の向こう側には、
茶づくりを続ける人たちの、さまざまな想いがありました。
今回は、そんな白川という土地から、
一杯の和紅茶が生まれるまでを辿ります。
山あいの町に根づいた、
白川茶の歴史。
白川茶は、400年以上の歴史を持つといわれる岐阜県の銘茶。
この地にお茶が伝わった時期については諸説ありますが、古くから山あいの暮らしの中に根づき、
家庭ごとに茶畑を持ち、自分たちで収穫・加工して飲む文化がありました。
かつては多くの人が茶産業に携わり、白川町の暮らしのそばには、いつもお茶がありました。
一枚の茶葉が、
和紅茶になるまで。
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刈り取り
茶葉の状態やその日の気候を見ながら、職人が“いちばんいい頃合い”を見極めて刈り取ります。毎年異なる自然の変化と向き合う、大切な作業です。
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萎凋(いちょう)
刈り取った葉に風を当てながら、ゆっくりと水分を抜き、数時間おきに手で返し、ムラなくしんなりさせます。
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揉捻(じゅうねん)
茶葉の水分量を見ながらじっくりと揉み込み、その日の状態に合わせて加減を調整。和紅茶の香りと味わいの土台をつくる、大切な工程です。
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酸化発酵
揉んだ茶葉を休ませながら、香りや色をゆっくりと引き出していきます。時間と状態を見極めながら、和紅茶らしい風味へと整えていく工程です。
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乾燥
発酵後の茶葉を中揉にかけながら水分を抜き、その後、乾燥機で80〜90℃の熱を加えてしっかりと乾燥させます。
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選別・仕上げ
細かすぎる葉や異物を取り除き、味を見ながら整えます。特に出来の良いものだけが、Triniteaとして選ばれているのです。
白川茶をかたちづくる、
三つのこと。
お茶の収穫は、毎年決まった日に始まるわけではありません。葉の伸び方やその年の気候を見ながら、職人たちが“いちばんいい頃合い”を見極めて刈り取ります。わずかひと月でも茶葉の状態は変わり、同じ白川町でも畑によって仕上がりに違いが生まれます。茶畑の多くは急斜面にあり、大型機械を入れることはできません。刈り取りは複数人で機械を扱い、日々の手入れでは重い肥料を背負って斜面を登ることも。白川茶は、人の経験と手仕事によって支えられています。
山々に囲まれた白川町は、昼夜の寒暖差が大きく、朝には山あいに霧が立ちこめることもあります。水はけのよい斜面が多く、茶葉がゆっくりと旨みを蓄える環境に恵まれています。なかでも三川地区では、長年にわたり農薬に頼らず、自然の力を活かした茶づくりが続けられてきました。全国のお茶の生産量に占める割合はわずか約1%。この土地の気候と人の手によって、希少な白川茶が育まれています。
和紅茶の香りや味わいを形づくるうえで、欠かせないのが酸化発酵の時間です。茶葉はゆっくりと色を深めながら、青々とした香りから、紅茶らしいやわらかな香りへと変化していきます。発酵の進み方を見極めながら丁寧に仕上げた和紅茶は、さらに時間を置くことで味がなじみ、一年ほど熟成させると、その個性がより深く、まろやかに現れるといいます。時間の経過もまた、味わいを育てていきます。
この土地に、
残していきたいもの。
発酵和茶Triniteaを立ち上げた纐纈さんも、白川町で育ったひとりです。幼い頃は、自宅の茶畑で茶葉を収穫し、家族で加工したお茶を飲む。そんな暮らしが当たり前にあったといいます。
高校時代にヨーロッパへ留学した際、日本の食や文化が海外で高く評価されている一方で、国内ではその価値が十分に活かされていないことを実感。「このままでは、白川茶も同じ道を辿るのではないか」そう感じたことが、この取り組みの出発点になりました。
実際にお話を伺っていて何より伝わってきたのは、纐纈さんがこの土地を本当に大切にしているということ。生産者の高齢化や人手不足が進み、茶づくりの風景が少しずつ失われていく中でも、ここで育まれてきたものを絶やしたくない。そんなまっすぐで熱い想いが、言葉の端々から感じられました。
自分の子どもたちが大きくなったとき、この町に愛着を持てるものが残っていてほしい。そして、一杯のお茶の背景にある土地や人の営みまで含めて、その価値を受け取ってくれる人に届けたい。
白川茶の文化を、次の世代へ。
そして、この土地の外へ。
Triniteaには、そんな未来へつなぐための想いが込められています。
一杯の和紅茶、
その向こう側にある想い。
Coming Soon 2026.10.6 公開予定
