
雲に触れてみたいと思ったことはありませんか。
子どもの頃、空を見上げながら「雲に乗ってみたい」「触れてみたい」と想像したことがありました。
ふわふわと浮かぶ姿を眺めながら、どんな感触なんだろうと考えていた時間。
大人になった今では、雲の正体を知っているはずなのに、不思議とその気持ちは心のどこかに残っているような気がします。
陶芸家・AKO DOMAEが手がける「CLOUD」は、そんな幼い頃の記憶から生まれたシリーズです。
雲をそのまま再現するのではなく、「触れてみたい」と思わせる存在そのものを、陶器という素材でかたちにしています。
部屋にそっと置いてあるだけで、思わず空を見上げたくなるような作品でした。

陶器だからこそ、生まれるやわらかさ。
CLOUDシリーズは、函館のアトリエで一つひとつ手作業によって制作されています。
オブジェやお香立て、キャンドルホルダー、器など、暮らしに寄り添うさまざまなアイテムへ展開されています。
もちろん素材は陶器なので、本当は硬いもの。
それでもAKO DOMAEは、雲が持つやわらかさを意識しながら、一つひとつ丁寧に形づくっています。
丸みを帯びた輪郭や、ふくらみのあるフォルムを眺めていると、不思議と「触れてみたい」という気持ちが湧いてくるのです。
それは雲を写した作品ではなく、雲に惹かれる気持ちまで映し出しているからなのかもしれません。

暮らしの中に、小さな空を飾る。
窓の外を見上げれば、毎日違う形の雲が流れています。
同じ空は一日としてなく、それでも私たちは忙しさの中で、空を見上げることを忘れてしまいます。
CLOUDを暮らしの中へ迎えると、ふと窓の外へ目が向くことがありました。
今日はどんな雲が浮かんでいるだろう。
そんな何気ない時間が、少しだけ心をゆるめてくれるような気がします。
CLOUDは、子どもの頃に空を見上げていた気持ちを思い出し、暮らしの中へそっと連れてきてくれる作品でした。
