
座布団一枚から、自分のための時間を
TOMORIは、日々の暮らしの中に、自分の感覚へ戻るきっかけをつくることを大切にしているブランドです。
その最初のプロダクトとして選ばれたのが、日本の暮らしに古くからある「座布団」でした。
座布団は、ただ座るためだけのものではありません。
そこに腰を下ろすと、自然と背筋が伸び、少しだけ呼吸がゆるむ。
湯気の立つお茶を飲んだり、読みかけの本を開いたり、ときには隣に座る誰かと言葉を交わしたり。
一枚の座布団を中心に、穏やかな時間が流れはじめます。
ひとつの小さな道具が「時間」をつくってくれることに、魅力を感じたのだそうです。
TOMORIが届けたいのも、特別なことをするためのものではなく、いつもの暮らしに小さな余白をつくるもの。
そう考えたとき、座布団が最初のプロダクトにふさわしいと感じたと話してくださいました。

時間を重ねた布を、今の暮らしへ
座布団に使われているのは、日本有数の織物産地・尾州でつくられたデッドストック生地。
現在は生産されていないものだからこそ、その風合いや表情を生かし、もう一度暮らしの中で使える形にしたいと考えたそうです。
仕立てを担うのは、座布団づくりの経験を長く積んできた京都の職人。
昔ながらの座布団をそのまま再現するのではなく、素材の選び方や仕立て方について職人から教わりながら、一つひとつ形にしていったといいます。
TOMORIが大切にしたのは、デザインだけで完成させるのではなく、実際につくる人の手や知恵を通してプロダクトを生み出すことでした。
正方形の座布団と細長い半座布団を組み合わせ、身体に馴染み、心地よく座れるよう、サイズや厚みも細かく調整されています。
色も、いわゆる「和」の印象に寄せすぎず、現代の暮らしに自然と馴染むものを意識したそうです。
畳の上だけでなく、木の家具や現代的なインテリアにも静かに馴染み、置かれているだけでも自然と目を引く佇まいです。
昔からあるものをそのまま残すのではなく、今の暮らしにも必要だと思えるものへ。
受け継がれてきた道具の良さを、現代の感覚で見つめ直した座布団です。

一畳半に流れる、日本の時間
TOMORIが掲げる「一畳半の日本時間」という言葉には、大きな場所や特別な環境がなくても、自分のための時間はつくれるという想いが込められているそうです。
一畳半という限られた空間に座り、少しだけ呼吸をゆるめる。
お茶を飲んだり、本を読んだり、何もせずに過ごしたり。日常の中にほんの少し「間」をつくることで、いつもの時間の感じ方が変わることがあります。
今回の座布団は、その「一畳半の日本時間」をつくる入り口のような存在。
そこに一枚置くだけで、ただの床が、自分へと戻るための小さな場所になればと考えているそうです。
座ったからといって、何かをしなくてもいい。
日々の流れからそっと離れ、自分の内側へ意識を向ける。
TOMORIが届けたいのは、ものそのものだけではなく、それを使うことで生まれる「時間」や「感覚」なのだと話してくださいました。
座布団一枚が、ただの床を、自分のための場所へと変えてくれる。
ほんの小さな余白から、いつもの時間が少しずつ、穏やかに流れはじめます。
