
香りを楽しむ時間は、自分を整える時間。
お気に入りのお香に火を灯す。
ゆっくり立ちのぼる煙を眺めながら、深く息を吸う。
たった15分でも、気持ちが少し落ち着いたり、頭の中が静かになったりすることがあります。
香りは目には見えません。
それでも、昔訪れた場所を思い出したり、その日一日の気持ちを切り替えたり。私たちの記憶や感情と静かにつながりながら、暮らしに寄り添っています。
wa/terの「INCENSE STAND 75φ」は、そんな時間を支えてくれるプロダクトです。
ベースになっているのは、水面に広がる波紋をモチーフにしたガラスシリーズ「HAMON」。
波紋が静かに広がるように、お香の煙もまた、ゆっくりと空間へ溶け込んでいきます。その二つが自然と重なり合うところにも、このプロダクトらしさを感じました。

ガラスが持つ、そのままの美しさ。
NCENSE STAND 75φは、HAMON75φをベースに、一つひとつ手作業でお香立てへ加工されています。
印象的だったのは、このガラスには着色が一切施されていないこと。
役目を終えた蛍光灯の再生ガラスが本来持っている色を、そのまま生かしています。
だからこそ、一つとして同じ表情はありません。
光の当たり方や置く場所によって見え方が変わり、時間とともにさまざまな表情を見せてくれます。
そして、手に取ると想像以上にずっしりとした重さがあります。
見た目は繊細なのに、手のひらにはしっかりとした重みが伝わってくる。その感覚が、不思議と安心感につながるようでした。
お香を焚いている時間だけではなく、何も置いていないときでさえ、暮らしの景色に静かに馴染みます。
また、このプロダクトは、wa/terが将来「ISLAND LIVING」を計画している淡路島で、お香の文化やものづくりに触れたことをきっかけに生まれました。
日本のお香生産量の約70%を占める淡路島での体験が、この小さなお香立てへとつながっています。

目には見えない豊かさを、大切にする。
香りによって過去の思い出が蘇ったり、心がリラックスしたり。
その時間を香りによって有意義なものにできるという考えが、このプロダクトには込められています。
wa/terは、「実態のない二つの結びつきを今より大切にすることは、生活を豊かにすることにつながる」と考えています。
香りもまた、その豊かさを感じさせてくれる存在なのかもしれません。
忙しい毎日の中で、ほんのひととき、香りと向き合う。
お茶を淹れる時間、本を数ページ読む時間、窓を開けて風を感じる時間。
そんな何気ないひとときに、お香を灯してみる。
煙がゆっくりと広がる様子を眺めながら、少しだけ呼吸を整える。
INCENSE STAND 75φは、目には見えない豊かさと向き合う時間を、暮らしへそっと届けてくれるプロダクトでした。
