
土の裂け目と、木の枝が重なるかたち。
SIYU HADA studioが手がける、ストーンウェアのオブジェ。土の塊を押し広げ、平らにしたときに生まれる裂け目やひび、そのままの輪郭を生かしながら形づくられています。
そこへ添えられるのは、自然の中で育った一本の木の枝。異なる質感を持つ土と木が静かに重なり合い、それぞれの存在を引き立てながら、ひとつの造形をつくり上げています。
器のようにも見え、オブジェのようにも映るその姿。何を受け止めるのかをあえて決めず、使う人それぞれの感覚にそっと委ねられています。

素材が見せる変化を、そのまま受け止める。
土に現れるひび、釉薬が流れることで生まれる濃淡、思い通りには整わない輪郭。それらを消すことなく、素材が見せる変化を受け入れながら、一点ずつ制作が重ねられています。
ストーンウェアは、高温で焼き締めることで硬さを持つ陶器。火をくぐることで土は別の表情へと移り変わり、その表面には釉薬の流れや色の揺らぎが静かに刻まれていきます。
左右対称の美しさを追い求めるのではなく、土が裂け、釉薬が動き、木の枝が添えられることで生まれる、その瞬間だけのかたち。一つとして同じものが生まれないところにも、この作品の魅力があります。

暮らしの中で、役割が少しずつ育っていく。
その日選んだお香を添えたり、アクセサリーや小さな道具を置いたり。用途を限定しないからこそ、暮らしに合わせて自然と使い方が変わっていきます。
何も置かず、そのまま空間に飾るだけでも印象は十分。土の質感と木の枝が描く穏やかな輪郭が、部屋の片隅に静かな余白を生み出してくれます。
暮らしが変われば、この作品の役割も少しずつ変わっていく。何を置き、どう眺めるのか。その答えを決めるのではなく、使う人の時間とともに静かに育っていくオブジェです。
