incense burner KOURO

一日の始まりと終わりを包む。緋色の釉薬と硅砂の香炉。

淡い緋色の陶器に敷き詰められた珪砂に一本の香がまっすぐ挿されている様子
引用:https://setsuna-fragrance.com/

灰を受けとめるための、緋色の器

setsuna fragranceの「incense burner KOURO」は、直径90mm、高さ50mmの陶器製香炉と、珪砂150gがセットになったプロダクトです。陶土を精製する過程で生まれた細かな砂粒である珪砂に、お香を直接挿して使います。

火をつけると炎がゆっくりと進み、根元に灰が落ちていきます。その灰は消えることなく珪砂の上に積もり、使うたびに少しずつ層を重ねていきます。燃焼途中で香りを止めたいときは、火の部分を珪砂に差し込むことで安全に消火できます。

緋色の釉薬をまとった器は、光の当たり方によって表情を変えます。朝の光では淡く、夕方の灯りでは深みを帯びて見える、時間とともに変化する美しさを持っています。

木製の棚に置かれた緋色の香炉とグレーの箱、窓の外の緑が柔らかく映り込んでいるインテリアシーン
引用:https://setsuna-fragrance.com/

多治見の工房から生まれる、ひとつひとつの表情

KOUROの制作を担うのは、岐阜県多治見市を拠点とするプロダクトスタジオ「3RD CERAMICS」です。個人作家でも大きなメーカーでもない「第3の陶芸」のあり方を模索し、シンプルで使い手に委ねる部分を持つ陶磁器を生み出しています。

工房では職人がロクロを回し、土の感触を指先で確かめながらひとつずつかたちを立ち上げていきます。成形後は緋色の釉薬をかけ、窯で焼成します。炎の当たり方や温度の変化によって、釉薬の発色や濃淡がそれぞれ異なる表情を見せます。

香煙が常に形を変化させるように、この器もまた同じものが二つとして存在しません。窯の中で生まれる自然な揺らぎを個性として受け入れる姿勢が、setsuna fragranceの時間への向き合い方と重なっています。

複数のKOUROに白い布がふんわりとかぶせられ、ひもで結ばれて並んでいる上面からの光景
引用:https://setsuna-fragrance.com/

一日の区切りに、小さな儀式を重ねる

朝、まだ空気がひんやりとした部屋でお香を一本選び、KOUROの珪砂に挿す。火をつけると細い煙が立ちのぼり、その煙を眺めているあいだ、呼吸が自然とゆっくりになっていきます。夜には同じように香を焚いて、一日の終わりにそっと線を引くような感覚を味わいます。

AEがこの香炉を選んだのは、香りそのものだけでなく「香を扱う時間」を大切にしている点に共感したからです。誰かに見せるためではなく、自分の内側を調えるための道具として、KOUROは使う人のペースに寄り添います。

使い続けるうちに珪砂の上に積もっていく灰は、過ごしてきた日々の証のようにも見えてきます。買い替えるのではなく、使い込むことで愛着が増していく。そういうプロダクトが暮らしの中にあることで、毎日の感触がほんのり変わってきます。

setsuna fragrance

漫然と過ぎていく日々のなかで、一日の終わりと始まりに静かな区切りをもたらす「setsuna fragrance」。彼らが提案するのは、誰かに向けて着飾るためのものではなく、自分の内側へと意識を向け「わたしを調える」ための香りです。香炉に香を挿し、火を点ける。炎がゆっくりと進み、根元に灰が積もっていく時間そのものを「香り」と捉え、数多の職人との対話を重ねながら、人の生命の時間に深く寄り添う道具を生み出しています。日が沈み、また昇る自然の摂理のように、終わりと始まりは一対で一体。その循環を漫然とやり過ごさないために、心身を鎮め、感覚を研ぎ澄ます小さな儀式を暮らしのなかに届けています。二度と訪れない刹那の連続を、より確かに味わうためのきっかけを静かに手渡してくれるブランドです。

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AE(あえ)は、「間」の感性で選び、つくるライフスタイル提案プラットフォーム。時間・空間・人間のあいだにある「間」を軸に、自社のものづくりと、価値観を共有する作り手のプロダクトをセレクトします。完成したプロダクトだけでなく、その背景にある手仕事や時間の流れまでも含めて、暮らしの中に届けることを大切にしています。

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